油圧カプラが故障する3つの原因と寿命について
油圧カプラは、工具なしで油圧ホースをワンタッチ接続できる部品です。
油圧源と機械を接続する為の重要な部品ですが、故障すると油の通りが悪くなったり、抜けなくなることがあります。
今回は、油圧カプラが故障する原因や、より長持ちする使い方、交換の目安についてお伝えします。
油圧カプラが故障する3つの原因
油圧カプラが故障する主な原因は
- 振動によるプラグの摩耗
- カプラ本体の変形
- サビ
の3つがあります。
振動によるプラグの摩耗
油圧カプラは、オス側(プラグ)とメス側(ソケット)で構成されており、ボールベアリングによって接続されています。
長く使用していると、オス側のくびれ部分に、ボールの跡ができることがあります。
この現象は、ジョイント部分のボールが、振動によってオス側のくびれを削り取ってしまうことが原因で起こります。
くびれ部分が摩耗すると、このようなボールの形の溝ができます。
このようなボール跡ができてしまうと、溝にボールがはまってしまうため、
- カプラが抜けにくくなる
- 油漏れしやすくなる
- 油の通りが悪くなる
などの症状が現れやすくなります。
振動による摩耗は、油圧カプラで最も多い故障原因です。
建設機械を使用すると必ず振動が生まれ、その振動はカプラにも伝わります。
振動によるカプラの摩耗は、長時間使用していると避けられないものです。
カプラ本体の変形
油圧カプラは特殊な鋼でできているものが多く、振動や衝撃に強くできています。
しかし、内部の圧力や熱によって、カプラ本体が変形することがあります。
「カプラが太る」と呼ばれるこの現象も、カプラが故障する原因の1つです。
カプラ本体が変形すると、脱着の際に抜けにくくなります。
一度変形してしまったカプラは修理することはできず、新品と交換するしかありません。
カプラのサビによる故障
カプラは金属でできているため、外気に触れるとゆるやかに錆びが生じます。
カプラが錆びると抜けにくくなるほか、サビた金属片が油圧ホースの中に入ってしまい、配管内にゴミがたまりやすくなります。
カプラを長持ちさせる方法
油圧カプラを長持ちさせるためには、カプラを丁寧に取り扱うことが大切です。
着脱の際に砂などの異物があるとパッキンやOリングなどのシール部を破損してしまうことがあり、こちらも油漏れの原因になります。
また、外したカプラは地面に置かないようにすることも大切です。
外したカプラを地面に置いてしまうと、バルブの先端に砂などの異物が付着し、カプラ内のパッキン類を傷つける原因になります。
なお、カプラがなかなか繋がらない時は、残圧が残っている可能性があります。
残圧を抜くためには専用の工具を使う必要がありますが、手元に工具がない場合、以下の記事で緊急対応の方法をご紹介していますので参考にしてください。
油圧カプラは消耗品
ここまで、油圧カプラの故障原因や取り扱い方法などをお伝えしてきましたが、基本的にカプラは消耗品です。
長く使っていると、いつかは必ずカプラは摩耗します。
摩耗したカプラを使い続けると、油の通りが悪くなったり、油が漏れたり、カプラが抜けなくなることがあります。
カプラに摩耗痕を見つけたら無理に使い続けず、早めに交換しましょう。
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