油圧ホースを長く伸ばしてみた
油圧ツールの要である油圧パワーユニット。油圧ツールを使う際はこのパワーユニットに油圧ホースを接続してツールまで油を流します。現場で使用される皆様からよく質問いただくのが「どこまで伸ばせるの?」ということ。長く伸ばせればそれだけ現場での取り回しが良くなりますので当然のご質問です。
ただしメーカーの推奨は10mまでです。
なぜ10mまでなのか?
本記事では油圧パワーユニットから油圧ホースを推奨以上に伸ばすと性能がどのくらい落ちるかを例に解説します。
ホース長が長くなると油圧のパワーは低下します。10mまででお使いください。
エア式工具と同様に、油圧式ツールには動力源が必要となります。動力源と本体を、油圧ホースを用いて使用します。油圧ホースの基本の長さは5mが一般的ですが、エア式と比較して「中を油が流れる」というイメージから、ホースの延長や取扱いに慎重に行われている現場も多くあるようです。
一般論として、延長距離自体はエア式の方が長く取ることができます。圧縮空気を押し出す、一方通行のエア式に対して、油圧式の場合は油を循環させる必要があります。
そのため丸善工業では、ホースの延長距離は最長で10mを推奨しております。
なぜ10m推奨なのか?ホースを長くして油圧ハンドブレーカを使ってみます。
ホースを伸ばして試してみます
ホース長を5m、10m、20mと変えて、油圧ハンドブレーカを使用してみます。
各動画をご覧ください。
5mの場合
10mの場合
20mの場合
それぞれの動画でパワーが異なることがお分かりいただけたかと思います。
5mのホース長さでの使用の場合に対して、20mのホース長さでは油圧の力は約30%低下します。
動画においても20mのホース長さではコンクリートブロックにチゼルは入っていますが、壊すまで至っていません。
また油圧ホースが20mの長さになると、冬季は作動油が粘度が上がり、動作不良になりやすくなってしまいます。こういった状態で無理にハンドブレーカを使用しようとすると、機器のトラブル、故障に繋がります。
そのため丸善工業では製品本来の性能を損なわないホース長さ10mまでの範囲での使用を推奨しております。
10mの長さがあれば、パワーユニットを安定した場所に設置し、現場に合わせて柔軟に作業を行うことが可能です。ただし先述のように、冬季はホースが長くなると油の粘度が上がりやすくなります。そのため10mホースを使用する際は、使用前の暖機運転を確実に行って頂くことで、安定してご使用いただけます。
油圧ホース長さとパワーの関係について、詳しく知りたい方は、ぜひお気軽に丸善工業ご相談ください。
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