これで安心!カプラの残圧除去方法

気温が高くなる夏期を中心によく起こるミニトラブルとして、カプラの残圧問題が挙げられます。これは気温上昇に伴い膨張した油圧ホース内の油がカプラに圧を加え、接続が困難になるトラブルです。

今回は現場対応方法を中心に、油圧ホースの残圧除去について解説します。

油圧ホースがつながらない!ホースの残圧とは

まずこちらの動画をご覧ください。

通常のカプラはこの動画のように先端を押すと弁が開き油が通るようになります。

続いて、ホース内部から圧力が掛かった状態のカプラを下記の動画でご覧ください。

ホース内の圧力が高まってしまうと動画のように油圧ホースの接続が困難になってしまいます。

このようなトラブルが起こった場合、内部の油を一部抜き、圧力を下げることが必要です。

一般的なカプラの場合

丸善工業の標準品に使用している一般的なカプラの場合、圧抜き専用の工具があれば簡単に残圧除去が可能です。しかし圧抜き工具が手元にない場合は緊急対応として以下の方法をご紹介しています。

このように、鉄板等の平らな面にカプラの先端をウエス等で保護し押し付けることでカプラ内のプラグが開き、圧力が除去されます。

注意点としてホース内で圧力を持つ油がカプラから噴出しますので、タオル等でカプラ周囲を包みながら作業を行う必要があります。また、ゆっくりとカプラを押し付けるとプラグが変形してしまうため、勢いよく打ち付けることが重要です。※この方法はあくまで緊急対応としてのご紹介となります

それでも圧が抜けない場合は・・・

動画の方法を試しても圧が抜けない場合は、スパナを用いてカプラを緩めることで圧を抜くことができます。ただしこの場合も緩めた隙間から油が漏れ出てきますので、ウエス等で保護しながら作業を行うことが重要です。

フラットフェイスカプラの場合

画像引用:日東工器株式会社 フラットフェイスカプラ F35型 
http://nitto-kohki.meclib.jp/C001/book/

現場の環境対応等を目的として、一般的なカプラではなくフラットフェイスカプラを使用されている現場も多いかと思います。ただしフラットフェイスカプラの場合、構造上 残圧除去の方法は限られており、「カプラを分解する」か「フラットフェイスカプラ専用の圧抜き工具を用いる」という手段しかありません。

一般的なカプラのような緊急対応方法がありませんので、フラットフェイスカプラを使用している機器を用いる場合、圧抜き工具も併せて調達されることをお勧めします。 なお、丸善工業の標準品についてはフラットフェイスカプラを使用しておりませんので、フラットフェイスカプラの圧抜き工具については市場流通品をご検討ください。

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