時代の先を行く開発型企業。「総合機械メーカーの丸善工業」
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ミニクレーン / MMC-300F

特長

・軽トラックが簡単にクレーン車に!
 現場での重量物の積み下ろしも一人でラクラク作業ができます。

・様々な用途にご使用いただけます
 1.故障車、事故車のオートバイ回収
 2.農機、農作物の積み降ろし作業
 3.レジャー用品積み降ろし作業 重量機械の搬入、搬出

・バッテリーより電源を使用するパワフルな電動ウインチ
 電動機は直流12Vバッテリーです。

仕様

型式 MMC-300F
走行時姿本体寸法(mm) L1346×W1083×T1090(走行時姿)
質量(kg) 90
最大吊上げ荷重(kg) ブーム伸時:200
ブーム縮時:300
巻上速度(m/min) 4
作業半径(m) ブーム伸時:1.5
ブーム縮時:1.0
旋回角度 135度(格納時180度)
最大揚程(m) トラック荷台より2.0
原動機 12V直流ウインチモーター
電源 12Vバッテリー

使用方法

1.準備する工具

名称 サイズ 数量
電気ドリル チャックサイズ13mm 1
ストレートドリル φ12mm 1
スパナ 17mm用 2
軸用スナップペンチ φ20mm程度用 1

 

2.組付け方

(1)ベースの組立
      フレームL形、フレームI型を組立て、さらにポールを組付けてL字形のベースを作ります。

 ・フレーム組立「使用部品」

部品番号 部品名 数量
B-10×25 六角ボルト M10×25 4
WS-8 バネザガネ  10 4
WP-10 平ザガネ  10 4

 

 ・フレーム組立「使用工具」
 17mm用スパナ   ボルト締付トルク 17.6N・m

 

 ・ポール組付け「使用部品」

部品番号 部品名 数量
B-10×40(ZEN10.9) 六角ボルト(全ネジ、10.9) 6
WS-10 バネザガネ 10 6
WP-10 平ザガネ 10 6

 

 ・ポール組付け「使用工具」
 17mm用スパナ   ボルト締付トルク17.6N・m

 

(2)荷台への固定

①組立てたベースをトラックの荷台上に置き、フレームI型の外側の面を
運転席側までいっぱいに入れてベースの位置を決めます。また、固定後、荷台のエンジン点検口が開けられるか確認してください。

<注意>
 ・フレームI型の外側面の上方に障害物がないか、ルーフガード(鳥居)にかかっていないか確認します。
 ・アウトリガーのセット及び格納ができるか確認します。
 ・荷台裏に当てるプレートを取り付けるスペースがあることを確認します(プレートの3箇所の穴のいずれかひとつを使用します)

 

②直径12mmの穴を4箇所ベースの穴位置に合わせて加工します。
  (Lボルト用2ケ所とM10×150mmボルト用2ケ所)

・穴あけ「使用工具」
  電気ドリル(チャックサイズ13mm、φ12mmストレートドリル

<注意>
  ドリルで車の燃料タンクや配線等を傷つけないよう十分注意してください。

 

③組立てたベースを荷台に固定します。

・「使用部品」

部品番号 部品名 数量
5090-528 Lボルト 2
5090-529 プレート 4
B-10×150(ZEN) 六角ボルト(全ネジ) 2
N-10 六角ナット M10 8
WS-10 バネザガネ  10 4
WP-10 平ザガネ  10 2

・ベース固定使用工具
 17mm用スパナ 2本   ボルト締付トルク 17.6N・m

 

(3)ブーム部の組立て

 ①第1ブームにウインチモーター、第2ブームが組み付けられていることを確認します。

 ②ブームのサポートジョイント部に「サポートB」を組付けます。

<注意>
サポートBにはサポートピン差込みの目印になるようにモミツケ加工があります。そのためサポートBを組付時はモミツケ部が手前にくるように組付けてください。

 ・使用工具
  軸用スナップペンチ(以下 3.4.同じ)

 

 ・「使用部品」(以下 3.4同じ)

部品番号 部品名 数量
5070-520 ピン B 各1
SC-20 スナップリング  20 各2

 

③ブームAssyをポールの上部ジョイント部に組付けます。

④サポートCにサポートBの先端を挿入し、サポートCの他端を下部ジョイント部に組付けます。

⑤ブームを手で押し上げ、スプリングをポールの穴とサポートのフックの間に組付けます。(下図参照)

 <注意>
  スナップリングが確実にピンBの溝に入っていることを確認してください。

 

(4)コントロールボックスの組付け

 ・「使用部品」

部品番号 部品名 数量
B-10×25 六角ボルト M10×25 2
WS-10 バネザガネ 10 2
WP-10 平ザガネ 10 2

 

・使用工具
 17mmスパナ
 付属のナイロンバインダーでキャブタイヤコードをポールに固定します。

 

(5)アウトリガーの組付け
    アウトリガーアームをアウトリガーレッグに組付けます。ナイロンナットはボルト先端が5mm飛び出すくらいまで締め込んでください。組付け後、ポールのパイプ部に差し込み、パイプピンを入れて抜止めをします。

・「使用部品」

部品番号 部品名 数量
BT-1065 六角ボルト M10×65 1
NL-10 ナイロンナットM10 1
11-747 8×45 パイプピン 1

 

・「使用工具」
 17mmスパナ 2個


 

1.積み上げ作業のしかた

(1)作業する所定の場所へトラックを停車させます。
  運搬物はトラックの左側(助手席側)に なるようにします。

(2)サイドブレーキをしっかり掛けます。エンジンスイッチは切らないでアイドリング(低速回転)の状態にしておきます。

 <注意>
  エンジンを止めて作業するとバッテリーを消耗劣化させるおそれがあります。

(3)電源コードの赤色ワニグチをバッテリーの+端子に黒色のワニグチを-端子に接続します。
    これで押しボタンスイッチの操作でウインチモーターが回りワイヤフックの上下ができます。

 <注意>
  ⊕⊖の極性を間違えないようにしてください。

(4)押しボタンスイッチの[下]を押し、ワイヤケーブルをゆるめます。ワイヤケーブルを緩めるとスプリングの力でほぼ水平になる位置までブームが起き上がります。ワイヤケーブルがゆるんだらワイヤフックをフレームから外します。

 <注意>
  上げ下げが逆になっている時は電源コードが逆に接続されています。
  またワイヤフックをフレームに掛けたままでさらに巻き上げるとクレーン本体の損傷につながりますので注意してください。

 

(5)アウトリガーを引き出し、アウトリガージャッキのボルトを回転させてアウトリガー下部のプレートを接地させます。

 <警告>
  アウトリガーを必ず使用してください
  使用しないと作業中バランスを崩し障害事故を引き起こすおそれがあります。地面が軟弱地または滑りやすい場所では一辺が500mm以上、厚さ20mm以上のしっかりした木の板をアウトリガージャッキの下に敷いて、沈んだりずれたりしない事を確認してください。

(6)サポートピンを外し、第1ブームを押し上げ、サポートBの穴位置にサポートCの穴Aまたは穴Bの位置に合わせます。この時サポートBに目印になるようモミツケ加工がありますので、それを目安にサポートピンを差込み、スナップピンで抜け止めをします(※)。

※下記の表と図を参考に使用用途に合わせた位置に
サポートピンを差し込んでください。

サポートピン
穴位置
ブーム状態 吊上荷重 作業半径 フック高さ
1段(縮み) 300kg 1m 1.7m
2段(伸び) 200kg 1.5m 2m
1段(縮み) 150kg 1.3m 1m
2段(伸び) 使用禁止 使用禁止 使用禁止

 

 

(7)運搬物が大きく、揚程や作業半径が足りない時は、第2ブームを伸ばして使用します。
 ①ワイヤフックを握り、押しボタンスイッチの「下」を押してワイヤーケーブルをブームが伸びる分だけあらかじめ引き出しておきます。
②操作ロッドを握りブームピンを抜き取ります。
③操作ロッドを押し上げて第2ブームを伸ばし、穴位置を合わせてブームピンを 差込みます。
④スナップピンで抜け止めをします。これで積み上げ作業ができます。


<注意>
   ・ワイヤケーブル自体を絞って作業すると、ワイヤケーブルの寿命を縮め危険です。
   ・ブームの旋回動作を軽くするため、ブームブラケットにあるグリスニップルからグリスを給脂してください。
   ・荷物の吊上げ時には、一気に上げないでワイヤケーブルの張りを見ながら行ってください。
・ブーム旋回時は回転止めに指等を挟まないように注意してください

 

2.クレーン格納のしかた

トラック走行時は必ず下記の手順でクレーンを格納してください。

(1)操作ロッドを握り、ブームピンを抜き取ります。第2ブームを縮めた後ブームピンを第1ブームの穴に収納しておきます。操作ロッドの端をフックに掛けます。

(2)ブームを支えながらサポートピンを抜き取ります。サポートピンはサポートCのパイプに収納します。

(3)旋回ストッパーピンを持ち上げて旋回ストッパーをかわし、ブームを格納位置まで旋回させます。

(4)ワイヤフックをフレームのフック掛けに掛け、押しボタンスイッチの「上」を    押して図のような位置までワイヤーケーブルを巻き取ります。巻き取り過ぎるとクレーン本体を損傷しますので注意してください。

 (5)アウトリガーをフレームに沿って格納します。

(6)電源コードの黒色ワニグチを㊀端子から、また赤色ワニグチを㊉端子から外し格納します。

 

 

3.下げ降ろし作業のしかた

(1)作業すべき所定の場所へトラックを停車させてください。トラックの左側(助手席側)の運搬物を降ろすようにします。

(2)以後の作業手順は「積み上げ作業のしかた」と同様です。

<注意>
旋回ストッパーピンは吊上げ作業時のトラックの転倒防止に必要なものです。旋回ストッパーピンが効かない状態での作業はしないでください。

保守点検

安全に作業するために、定期的に行いましょう。

1.潤滑について

・ウインチモーターのギヤ部には潤滑用のグリスが封入されていますので、給油の必要はありません。

・ブームブラケットのグリスニップルからグリスをグリスポンプで給脂してください。また給脂後はブームを旋回させグリスを可動部に行き渡らせてください。

 

2.ワイヤケーブルの点検とウエイト固定用ナットの緩み確認

・使用する度、必ず毎回点検してください。

・ささくれまたは、潰れていたら、直ちに交換してください。

・錆があったら、錆を取り少量のグリスを塗ってください。

・ナットが緩んでいる場合は締め直してください。

 

3.コントロールボックス内の点検

(※)必ずバッテリーから外した状態で実施してください。

・コンタクターのリレー接点が電蝕(白く濁った状態)していると動作不良の原因になりますので、紙ヤスリ400番等で電蝕した箇所を白濁がとれるまで磨いて清掃してください(下図参照)。

・サーキットブレーカは、温度(熱)を感知して作動し回路を遮断します。過負荷がなければ冷えて自動的に復帰し、回路を形成します。


4.ウインチモーターの点検

(※)必ずバッテリーから外した状態で実施してください。

・回転しない場合には電気的接点を点検し、修理または交換してください。

・バッテリー端子へのコード接続

・コントロールボックス内のサーキットブレーカーコードへの接続

・押しボタンスイッチ内部の接点

<注意>
ウインチモーター自体は防水構造ではありませんので、水等には気を付けてください。

5.電源コードの点検

・コードが途中で荷物などにつぶされて芯線が露出していないか、定期的に点検してください。
露出している時には、交換してください。

 

6.その他

ポール、ブームブラケット、サポートBおよびC、フレームL形およびI形、アウトリガーなど、機械的強度が要求される構造部品の、錆、腐食等が無いか、曲がり割れなど破損は無いか。1ヶ月に1度は必ず点検してください。これらがある場合は修理または交換してください。

・各部取付ボルト・スナップリングは、確実に取り付いているか、使用前に日常点検してください。

・トラックの荷台クレーン取付部に、錆、腐食がないか、1ヶ月に1度は点検してください。これがあった場合、荷台を修理してください。

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